イエメンの家

中東のアラビア半島南西にあるイエメン共和国は、紅海、アデン湾、アラビア海に面した人口2358万人、面積は約52万8000平方キロメートルの国。古くからアラビア半島の交易の中継地点として栄えてきた場所で、首都サナア(サヌア)は世界でも最も古い町の一つともいわれる町。シュガーコーティングしたビスケットやクッキーのような可愛らしくも特徴的な建物が並ぶ町並みは一度見たら忘れられないものです。

森林が少ないイエメンの主な建材は、山から切り出した石と泥から作るレンガ。

上に上にと伸びた塔状の建物が立ち並んだ理由は、狭い土地に数多くの人が住めるようにするためと、外敵が侵入しにくいようにするためとか。アラブの世界では女性を家族以外の他人の目から守る必要もあり、下層階に窓が少ない、こうした建物はその点でも理にかなっているそうです。

地域によっては最高気温が50度、年間の平均気温25度、昼間は時に30度を超える暑さ、夜には10度以下に下がることもあるという寒暖差の中、人々はレンガ造りの家で暮らしています。


サナアとフダイダの間にある山あいの町ハラズの家